笑えない話

当初はまぁなんてことなく終わるかなと考えていたが、私の想定以上の騒ぎになっているようだ。問題点というか、話の起点は明確だが、着地点が見えない日本を代表するお笑い界の生きるレジェンド 松本人志さん騒動である。23年 年末から始まり、24年 1月中旬の今、この問題はエスカレートしている様子。石川県で起きた大地震で打ち消されるかと思いきや、活動休止の発表により、様々な憶測やコメントが飛び交っている。ファンとして、視聴者として気になるポイントはもちろん様々あるが、とにかく今後テレビで松本さんが見られなくなるようだ。1/14 のガキ使は健在だったが、他撮影分がどこまで放送されるのか・・・。スポンサーが降りているようだから、もう見ることができなくなるんだろう。というか、こんな気持ちで彼のお笑いをみても、なんだか入ってこない悲しさがある。今後、一本グランプリ、すべらない話、つまみになる話、そしてM1などの番組は継続するようだが、どうなるか・・・。そして、謎に包まれた暴露が裁判によって明らかになったとして(結果がどうあれ)、松本さんが笑いを再起することはあるのかが非常に気になる。なによりお笑いファンとしては、年末のM1がどうなるかが心配。松本さん審査で優勝を目指していた芸人も多数いただろうなと思ったり。でも逆に、新しいお笑いの風が吹くタイミングなのかもしれない。といいつつ、今回気になったのは、この報道について。

日本は民主主義国家であり、報道の自由がある。政府からの干渉を受けず、自由な発言・発信が許されています。もちろん名誉棄損はしてはいけないわけですが、あらゆるメディアが自由な報道をすることができる。これはジャーナリストだけでなく、SNSなどを通じて個人でも自由な発言ができる。ので、そのメディアや個人が「事実」とする情報を発信することができる。その情報の事実性については、発信元の判断であり、誤認もありえたりもしますが。情報元となるテレビやラジオがどうやって活動しているかは、主にスポンサーからの資金提供で、今回のように事実がどうあれイメージ的にマイナスに傾ければ、当然スポンサーが離れる。ので、今回のように事実がどうあれ、イメージ優先で事実確認前に事が起きる。結果それが正しかったことになる可能性もあるが。ちなみに、NHKはこのスポンサーの意向による制限をなくすために、広告に依存しない視聴者集金制度だったりします。スポンサーの機嫌を伺うことなく、中立的な情報発信や番組制作が可能という、すばらしい制度だったりしますが、それはそれで別のいろんな問題も発生しているようですが・・・。とまぁ、いろいろ書いていますが、今回思ったのは、とにかく、「揉め得」で、情報発信者がとても強いということです。迷惑系YouTuber的な、正義系YouTuber的な、恐怖も感じました。いや、実際に松本さんも色々とやらかしているような気がしますが、結果何もしていなくてもここまでくると、情報発信元はとっくに勝利。裁判で勝っても負けても、どちらも得。視聴者というか、日本の注目を集めれば収益が増加という方式。これはフェアじゃないなーと思いました。というのも、2019年くらいにあった、霜降り明星 粗品さんの変装強化焼肉デート スクープをご存じでしょうか。M1チャンピオンになった翌年、変装を強化していたのにも関わらず、デートからお泊りをスクープされてしまった事件です。結局は、正式な彼女と同棲していたというほほえましい事件で、大きな話題にはならなかったようです。こういうケースは、情報発信元の活動と見返りが合わない(それでも記事になっているので、元は取れているような気もする)ことがあるやもですが。この見返りとジャーナリズムが、今回私が一番大きく感じたポイントです(やっとここまでこれた・・・)。前提として、松本さん事件については、実際に被害者がいる可能性もあり、事実を闇に葬られまいと立ち上がったジャーナリストの可能性もあるのでちょっと言いたいことと違うんですが、スキャンダルサーチってなんだかなぁと思うんです。もっと調べないといけないことってあるような気になると言いますか。でもこういう性的関連の報道で救われる人もいるので必要だと思ったり。事実確定まで情報発信してはいけないってなったら、それはそれで隠ぺいが簡単になるので、めちゃくちゃ大変なことになりますもんね。とりあえず今回の事件から、報道には、自由とお金と悪意と善意が混沌としているんだなぁと思ったりで、人の世って複雑だなぁと思った次第です。

読み返して思ったんですが、ジャニーズについてはなぜ誰も触れてこなかったのだろうと思ったのですが、1988年といまから、40年前から暴露本が出ていたようです。35万部売れたそうですが、新聞やテレビではほぼ取り上げられなかったそうな。また、暴露・告白関連の書籍や映像コンテンツはその後も多数配信され続けていたようです。ここまで多数あったとは露知らず。知っていたのかもしれませんが、目が向かなかったのでしょう。そして、現在だと考えられませんが、他メディアもスポンサーも問題視していなかったということなんでしょうね。自分も含めて、日本って独特な国ですね・・・。

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